その他の効能
木の効能は他にも沢山ありますが、
主だったものを簡単に紹介します。
・断熱(保温)効果がある
木材は主にセルロースやリグニンという物質で構成されて
います。
その細胞は、中空で無数の隙間が有り空気を含んでいます。
その構造が、断熱層となり断熱・保温効果があります。
木は水よりも熱を伝えにくく、コンクリートは木の3倍以上
熱が伝わりやすいのです。(奪われやすい)
この事から、木の床はコンクリートの床よりひんやりとせず、
温かみがあります。
(逆に夏は、足の裏の湿気を吸い取ってくれるので、
サラサラしています)
・クッション性
上記の様に無数の細胞クッションがある為、床や壁に貼ると
コンクリートやタイル等の固い部材と違い、 衝撃吸収率が高く、
転倒・追突時の怪我の防止や、軽減に繋がります。
・目や耳に優しい
木造の校舎で学ぶ生徒と、RC造の校舎で学ぶ生徒の近視眼率を調べるという、面白い調査がありました。
結果は、木造校舎で学ぶ生徒より、RC造の校舎で学ぶ生徒の
近視眼率の方が高いというものでした。
RC造の校舎の壁は、コンクリートやパネルに白い塗装をして
おり、紫外線をよく反射するため、目などに強い刺激を与ます。
一方木材で造られた壁や床は、紫外線をよく吸収し、反射した
光にはほとんど紫外線が含まれていない事から、 目などへの影響が小さくなります。
同じように音についても、 全ての音を反射せず、適度に吸収するため角の取れた聞きやすい音になります。
・キレにくい
最近学校などで問題になっている“キレやすい”という生徒の
精神状態も、建築様式の変化に伴い増加しているように思えます。
前にも記述しましたが、人間と木は、とても相性が良いのですが、
近代建築における3大材料、ガラス(これは木造でも必要ですが)鉄・コンクリートとはどうでしょうか。
マウスを使ったこんな実験があります。
木製・金属製・コンクリート製、それぞれの飼育容器でマウスを
一定期間飼育した後、 交配させ、生まれてきた子供のマウスを
観察するというものでした。
生存率は、木造85%、 金属製41%、コンクリート7%という結果
でした。
発育状態や生殖器の成長においても、木製容器と木製以外
(金属・コンクリート製)では顕著な差が見られたようです。
(現実には内装まで全てがコンクリートや金属製の住宅は
ありませんが)
この事からもマウスも、 何らかのストレスを感じていた事
でしょう。
生徒に置き換えてみたらどうでしょうか。
学校の校舎はコンクリート、自宅はマンション、庭もなく、無機質なコンクリートや鉄骨造で、心の安らぐ空間がありません。
(最近では内装に木を多用している所もありますが)
ただでさえ難しい年頃(反抗期)に、様々なストレスが蓄積されて
加わるのですから、 キレても不思議ではありません。
実際木造校舎で学ぶ生徒より、RC造校舎で学ぶ生徒の方が
キレやすいという報告もあったようです。
今から現存する校舎を全て木造にするのは不可能です。
(内装材に多用するのは可能です)
せめて、自宅に帰ってきたらリラックスできる(木と触れ合える)空間(居場所)があれば心身が落ち着き、キレにくくなるのでは
ないかと思います。