古民家の再生・移築の方法は実に多様です。気に入った古民家を現地で再生するのか、希望の場所に移築してリフォームするのかによっても変わってきます。また、古民家を住む所として利用するだけでなく、レストランやカフェ、ギャラリー、宿などとして利用する人も増えていますのでユーザーの希望と予算を把握する事が大切です。
古民家のリフォームでは、まず建物の状態をプロが評価して必要以上に壊さないように再生のための計画を作成しなければいけません。そこを担うのが古民家鑑定士の役割だと考えます。そして再生の計画に沿って慎重に解体していきます。どこに使われていたものなのか1つ1つ確認しながら行う作業になるのでこれも経験ある業者に依頼する方が慣れない業者に頼むより結果的にローコストで仕上がります。解体された古民家の古材は一度丁寧に洗浄され腐食や虫が付いた跡などを検査していきます。木の種類や状態も把握し再生する時十分にいかせるようにします。そして再度組み立てが行われます。古材はそのまま同じように使われる場合もありますが、古材の状態はリフォームの状況にあわせ削ったり切ったりして別の場所に使うこともあります。職人の匠の技が生かされた古民家を現代の匠達がもう一度よみがえらせる非常に楽しい瞬間です。よく古民家は高くつくという人がいます。あながち間違いではありませんが、それは昔の技術の継承を目的にするような完全な再生を目指すからです。そういう方向性とは別に、良質な木造住宅に住みたいというのであれば、工夫を施すことで現在の新築住宅を建てるのと同じか、逆に安くすることも出来ます。ユーザーが求めているものが何なのかを的確に伝えることが古民家リフォームの成功のカギです。